数年ぶりにストリートファイターをしてみた

 アラフォーの人間にとって、対戦型格闘ゲームというものはゲームセンターという認識が強いのではないでしょうか?僕は小学生の高学年くらいから、お小遣いを握りしめてゲームセンターへ通い始めました。当時はストリートファイター2というゲームが大流行しており、街の至る所から「波動拳!」「昇竜拳!」といった子供の声が聞こえてきていた。ゲームセンターでは当初、対戦台というものがなく、対戦するためには隣通しに座って、お互いの肘をぶつけながら、プレイするというスタイルだった。このスタイルの場合は、まず間違いなく知らない他人が戦いを挑んでくることはない。そりゃそうだ。知らない人間のめっちゃ至近距離に座って(というか、少し横長の同じ椅子に座る)プレイしなきゃいけないのだから。だから友達と対戦しない限りは、コンピュータ相手にステージを順番にクリアしていき、最後はボスを倒してゲームクリアになる。順調に勝ち上がり、最後までいくと20分くらい遊べるかな?小学生~中学生にとって100円でそれくらい遊べればコストパフォーマンスとしては十分だった。

 少し時が過ぎたころ、ゲームセンターの格闘ゲームはある変革期を迎える。上に書いたような対戦台というものが出現したのだ。この対戦台というのは、隣同士に座ってプレイするのではなく、それぞれが別々の機体でプレイする。2人が同じ画面を見るのではなく違う画面を見ながら操作し戦っていく。これは画期的だった。これまで対戦しようと思ったら、まず狭い隣に座って肘が当たらないようにと、申し訳なさ、気まずさが発生する。また、勝っても基本的に格闘ゲームというものは、勝ち残りになるため結果的には、元々プレイしていたプレイヤーを追い出して、自分がプレイする形になる。申し訳なさ、気まずさが倍増だ。それがこの対戦台にはない。そもそも相手の顔が見えないし、負けた側はそのままスゴスゴと出ていく。これにより全国で対人戦という熱い戦いが繰り広げられることになっていった。コンピュータと違って相手が人であることは、駆け引きの発生を意味する。また、プレイヤーごとに得意とするキャラクターも異なり、あいつのAというキャラには勝てるがBには勝てない、といった事も多々あった。僕が中学生~高校生くらいの時に、ゲームセンターにおける対戦は大きな盛り上がりを見せていたのだった。

 大学生になってからは、全くゲームセンターへ行くことも無くなり、噂によればゲームセンターにおける格闘ゲームは衰退していったと聞いた。それ以降も家庭用ゲーム機で遊ぶことはあっても格闘ゲームはしていなかった。だが、近年Eスポーツなるものが普及し大きな盛り上がりを見せているらしい。先のブログでも書いたように、最近ゲーミングPC、PS5を手に入れたこともあり、久々にストリートファイターでもやるか!!と勢い込んでゲームをダウンロードすることにしたのだった。少しずつダウンロードされていく画面を見ながら年甲斐もなくワクワクした気持ちになり、やっぱり久しぶりだしリュウかな?いや使いやすいガイルか!など考えながら待っていた。そして、ダウンロードは無事に終了し、タイトル画面が映し出されたのだった。

 実際にプレイしてみて感じたことはたくさんあった。まずは本当に対戦が気楽に出来て、楽しくなっていた。ゲームセンターの対戦台どころではなく、同じ空間にいる必要もなく、なんなら自宅に1人でいるのだ。ゲームを購入さえすれば、負けても100円玉を投入する必要もない。毎日せっせと両替していたのは懐かしい思い出となったのだ。また、プレイヤーのレベルが高くなった気がする。僕自身にブランクがあったこともあるかもしれないが、みんな上手だった。1勝するにかなりの対戦を要した。だが、対戦相手は尽きることなく、どんどん対戦出来る。これはゲームという文化が趣味として多くの人達に認識されているのだなと思った。レバーをガチャガチャしながら、波動拳昇竜拳を繰り出しながら、しばし戦いの場を堪能した。

 もし、昔格闘ゲームをしており、久々にまたやってみたいと思っている人はぜひチャレンジして欲しい。ゲームの完成度、プレイヤーの数など満足のいく楽しさを感じることが出来ると思う。鉄拳7なんかも良いかもしれませんね。でも、ゲームセンターへいそいそと足を運び、対戦する人と同じ空間で戦ったあの日も、それはそれで失われた良き日々だったなーと、少し感慨に老けたりもしながら、今日も僕は自宅でレバーをガチャガチャしている。